まくら

読んだ本や好きな文章の感想

詩・短歌・俳句

河野裕子・永田和宏『たとへば君 四十年の恋歌』

河野裕子と永田和宏は二人とも歌人で、夫婦。永田さんは生物学者でもある。二人は仲睦まじい夫婦だったが、河野さんは2010年に癌で亡くなった。という程度の知識(イメージ)でこの本を読んだ。 たとへば君 四十年の恋歌 (文春文庫) [ 河野 裕子 ]価格: 80…

(歌集)永田和宏『メビウスの地平』

「あの胸が岬のように遠かった」というフレーズが心に突き刺さって離れなかったので永田和宏の歌集を読みました。 『知の体力』とか『僕たちが何者でもなかった頃の話をしよう』とかは軽く読んだことがあったんですが、歌集をちゃんと読んだのはこれが初めて…

(歌集)小佐野彈『メタリック』 よかった…………

小佐野彈の歌集を初めて読みました 真夜中に読んでグチャグチャに心が打ちのめされた オープンリーゲイの方だそうですが、同性愛を扱った歌が特に好きですね……… メタリック 作者:小佐野 彈 短歌研究社 Amazon 家々を追はれ抱きあふ赤鬼と青鬼だつたわれらふ…

染野太郎『人魚』(歌集)

twitterで見かけた染野太郎さんの歌に萌え散らかしたので歌集を買いました。 歌集 人魚 (まひる野叢書) 作者:染野 太朗 KADOKAWA Amazon 感情がなければいいなひとりだな便器掴んで吐くこの朝も これがその短歌なんですが も……萌え~~~~~~~;;;;;…

労働で疲れてるときに吉野弘の詩読んだら泣いちゃった

タイトルの通りです。 労働で疲弊してるときに読む吉野弘の詩、めちゃくちゃ魂に染みる。 吉野弘詩集 (岩波文庫) 作者:吉野 弘 岩波書店 Amazon 今回読んだのはこれです。 もう序盤の「burst」と「挨拶」が本当にクる。 三十年。 永年勤続表彰式の席上。 雇…

(歌集) 木下龍也『きみを嫌いな奴はクズだよ』/工藤吉生『世界で一番すばらしい俺』/鈴木美紀子『風のアンダースタディ』

好きな歌や最近読んだ歌集について。 木下龍也『きみを嫌いなやつはクズだよ』 工藤吉生『世界で一番すばらしい俺』 鈴木美紀子『風のアンダースタディ』 --------- 木下龍也『きみを嫌いなやつはクズだよ』 [書籍のメール便同梱は2冊まで]/きみを嫌いな奴は…

吉野弘「I was born」(+日記)

吉野弘の「I was born」、高校の現代文の教科書に頻繁に掲載されていますが、私が使っていた教科書にも載っていました。高校生のときに読んでからずっと好きです。 で、何が好きかって、今まではなんとなく蜻蛉と母の話がいいなあぐらいに思っていたんですが…

藪内亮輔『海蛇と珊瑚』(歌集)

藪内亮輔さん、ツイッターの短歌botで見た歌がめちゃくちゃ好きだったので歌集を買いました。 ハードカバーで歌集を買うのは初めてなのですが、カバーは無駄な装飾が一切ないメタリックなグレー一色でカッコいいです。 ちなみに1ページに基本三首が収録され…

憂鬱な香水に深く涵した剃刀 北原白秋「萩原朔太郎『月に吠える』序」

本が好きなので好きな本や好きな文章の感想を書きたい。本当は人と語り合いたいけど周辺で私の語りに付き合ってくれそうな人がいないので一人でブログに書くことにしました。 最初は萩原朔太郎「月に吠える」に寄せた、北原白秋の序文。 https://www.aozora.…